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薬局事務員のミスで患者が健康被害に!薬剤師の責任?【法律相談】

私が勤めている薬局では処方箋を患者から預かり、事務員が処方箋の内容をレセコンに打ち込み、その内容に従い薬袋が印刷されます。
先日、事務員が用法を入力ミスしてしまい、調剤した私は気がつかず、印刷ミスのまま薬袋を患者さんに渡してしまいました。
 
私は患者さんに対して口頭では正しい用法・用量を説明しましたが、患者さんは薬袋に記載されてしまった誤った用法の通りに服用し、健康被害が出てしまいました。
このような場合、薬剤師である私は責任をとらないといけないのでしょうか?

最終確認は必ず薬剤師が行う必要があります

薬剤師法では原則、薬剤師に調剤の独占が認められており、調剤した場合には薬剤師が薬袋に用法・用量を記載しなければいけないと定められています。

その他、薬袋には調剤年月日や調剤した薬剤師の名前や薬局の名称、所在地を記載する必要があり、用法・用量などの必要な記載事項は印刷でも構いませんが、たとえ入力作業自体が別の人間が行ったとしても、この規定の主体が薬剤師になっていることからも明らかなように、最終確認はあくまで薬剤師が行う必要があります

 

調剤できるのが薬剤師だけである以上、調剤にかかる不備や最終確認の怠りがあったために患者に健康被害が起これば薬剤師は責任を問われると考えられ、不正行為責任(民法第709条)によって損害賠償責任を負うことになります

事務員の責任について

事務員がレセコンに入力をする業務にてミスがあったとしても、事務員はあくまでも薬剤師の仕事を補助する役割なだけですので、薬剤師が薬袋の内容を確認する事が前提であるならば、事務員にまで民事的責任が及ぶ可能性は低いです。

たいていの場合、薬局内にて然るべき処遇が課される程度のものかと思われます。

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調剤に関わる全ての責任が薬剤師にある事を意識する

薬剤師は患者への投薬の際に薬の用法・用量を説明し、服薬指導を行う事が義務付けられています。

しかし、用法・用量を口頭で説明したとしても、患者が服用する際には薬袋を見て確認する事が通常と考えられます。

口頭での説明は義務として必要不可欠ではありますが、あくまで薬袋の記載を補完するものといえます。

 

たとえ口頭で適切な説明を患者に伝えていたとしても、紙袋への記載が間違っている以上はあきらかに服薬指導義務が果たせていないという事であり、薬剤師はその責任を問われる事になります。

薬剤師は口頭での服薬指導説明と、薬袋への記載のいずれも適切に行わなければならないのはもちろんのこと、調剤に関わる全てを薬剤師の責任で適切に行わなければならないことを意識しなければなりません。

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