お薬豆知識

「口内炎の特効薬はチョコラBB」が真実でない本当の理由

チョコラBBというお薬を知っている方は大勢いらっしゃると思います。そしてチョコラBBが口内炎に効くというのが常識のような風潮があります。それはTVやCMや雑誌の影響でビタミンB2が欠乏すると口の中に炎症ができやすくなるとさかんに言われていたからです。

口内炎の主な原因は本当にビタミンB2不足のせい?

現代の食生活と口内炎の関係について少し考えてみましょう。ビタミンB2不足で口内炎が出来てしまう割合というのは、主に10%~20%と推定されます。

ですが、口内炎の多くは、小魚などの骨が口の中に刺さったり、頬の内側の粘膜を誤って噛んでしまったりした時など口の中の異常に気付いた常在菌が繁殖して炎症が起こったために出来るものが殆どです。

また、口の中の傷が元でできた口内炎は通常、炎症を起こす前に唾液が細菌を洗い流すことが多いのですが、疲労やストレスが原因で唾液の量が減少した場合に発症しやすいのです。

したがって、ビタミンB2不足と常在菌の繁殖などは別の原因であるため、どんな口内炎にもチョコラBBが効くというのは間違った知識と言わざるを得ません。実際にチョコラBBの用法容量やホームページなどを確認してみると、次の様な病気に効果があると書かれています。

  • 肌荒れ
  • ニキビ
  • 口内炎
  • 口角炎
  • かぶれ
  • ただれ
  • 湿疹
  • 皮膚炎
  • 赤鼻
  • 目の充血
  • 目のかゆみの改善

このように、チョコラBBの効能というのはあくまでも「皮膚トラブル全般」を改善するための内服薬であって、口内炎にももちろん効果的ですが、特効薬というわけではないのです。

口内炎の特効薬のイメージは企業戦略のひとつ

利益を追求するのが目的である企業にとって、商品のキャッチコピーというのは大事です。だからこそ口内炎「にも」効く薬をあえて「口内炎にはこれが効く」という切り口で宣伝しているだけであると考えられます。

上記に書かれた多くの疾患の中で「一般人が年齢性別関係なく、頻繁に発症するのが口内炎である。」という部分に着目したのでしょう。もちろん、嘘をついているわけでも誇大宣伝をしているわけでなく、口内炎に効く成分が入っているという点においては全く嘘はついていないのですから、企業戦略のひとつとして「口内炎にはチョコラBB」というイメージ先行が一般的に成り立っているということを知っておくといいでしょう。

もしも患者さんが頻繁に口内炎が出来るからといってチョコラBBだけ飲んでれば大丈夫という間違った認識で、生活習慣の見直しなどを怠っていた場合は、薬剤師としてこのような事をしっかりと伝えていくのもひとつの義務かもしれません。