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薬剤師の退職で損害賠償請求されるのは筋違いだ!【法律相談】

私はまだ入社して3ヶ月の薬剤師ですが、薬局に馴染めずに先日退職願いを出しました。
しかし、薬局の責任者から引き留められています。
私が面接時に「3年間はこの薬局で働きたいです」と言っていた事を理由に、話しが違い過ぎると言って退職を認めてくれません。
 
しかも、薬局側が損害を被ったとして損害賠償請求するとまで言っています。
確かに面接時は本当にそう思っていましたし、嘘ではありませんでした。しかし、給料を前払いしたうえで働かなかったというならまだ理屈は分かりますが、私はこの3ヶ月間は真面目に勤務していたわけです・・。
 
私が損害賠償請求される筋合いはないと思うのですが、どうなのでしょうか?

面接時の発言はあくまで決意表明に過ぎない

この場合「3年間はこの薬局で働きたいです」という発言は、あくまでも本人の薬局での労働に対する決意表明に過ぎず、その発言が法的な効果を持つ事はありません
 
正社員というのは、本人が退職の申し入れをしなければ定年まで労働するという「期間の定めのない労働契約」を締結しています。
そして「期間の定めのない労働契約」とあるように、民法627条第1項では「正社員はいつでも解約の申し入れをすることができる」と定めており、原則として退職時期の自由が認められています
 
そして、申し入れから2週間で契約は終了する事になるため、薬剤師を強制的に引き留めたり損害賠償請求する事はできません

会社の承認がなければ退職できない場合

会社によっては退職する場合に会社の承認を得なければ退職できないという規則を設けているところもあるようですが、これは法的な効力は認められません

過去に判例がありましたが、裁判所は「解約の自由を著しく制約している」と解し、会社の規則は無効であると判断しています。

正社員のように期間の定めのない契約であれば薬剤師は原則通り、申し入れ(退職願提出)から2週間の経過で退職できるという事になります。

3年間の有期雇用契約を結んでいた場合

このケースでは、面接時に「3年間頑張る」という口頭での決意表明だけでしたが、もし契約時に3年間の有期雇用契約を結んでいた場合はどうなのでしょうか?

これは、3年の有期雇用契約であっても入社から1年経過していれば労働者は理由に関係なく自由に退職ができます
しかし、1年以内で辞める場合は「やむを得ない事由」がなければ、法律上薬剤師は退職できない事になります。

 

それでも薬剤師が「退職したい」と言っているにも関わらず強制的に働かせる事はできません。
薬局側が出来る事としては退職を思いとどまらせる説得くらいです。

薬剤師の退職によって損害賠償が発生する場合は?

仮にこの薬局責任者が言うように退職願を提出した薬剤師に損害賠償を請求できるとすれば、薬剤師が辞める事によって具体的な損害が発生している場合に限ります。

しかし、損害としては新しい薬剤師の募集時に掛かる費用くらいでしょうし、その損害と薬剤師の退職の因果関係を立証するのは難しいですので、薬局責任者が要求している損害賠償請求が通る事はまずないといえます。

 

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