志望動機を「高額給与」と言ってしまうのは損でしょうか?

堀部さん(神奈川県/28歳/女性)のお悩み

前職のお給料が低かった事もあり、次の転職先は高額給与を条件にしています。なのでお給料が高めの求人に応募して面接をしているのですが、面接の時は必ず志望動機を聞かれます。

その際、私は正直にお給料に魅力を感じている旨伝えているのですが、なかなかうまくいきません。

それだけがうまくいかない原因ではないと思いますが、やはり前職のお給料が低かった事を引き合いに出したり、志望動機がお給料である事は雇用側からするとマイナスイメージにしか働かないのでしょうか?

他人も同情するほど安月給だったなら志望動機としてもアリ

生きるために働いている以上、報酬額が高いに越した事はありませんよね。

もちろん転職の動機にもその条件面は大きく影響してくるものです。

しかし、ここで注意すべきなのは現在のお給料について、自分自身が適性に評価できているかどうかという部分です。

もしも「自分は能力があるし、薬局内でも誰よりも仕事が出来ていると感じる。」という考えだとすると、それはただの独りよがりである可能性があります。

なぜならば主観的な評価に過ぎないからです。

【関連記事】 薬剤師の転職で知っておくべき「自分の価値と相場」

正当な志望動機かどうか他人に意見を聞く

客観的に自分の待遇評価を知りたい時は、別業種でもかまわないので身近な友人・知人に聞いてみると良いです。

「毎日、日が変わるまで残業させられて、残業代も支払われず基本給も○○ぐらいしかもらえていない」

というケースであれば、同業種でなくとも他人からみても立派な転職の動機となりえます。

この様な例であれば、少々ネガティブではありますが正当な志望動機であると雇用側も納得するかもしれません。

【関連記事】 薬剤師が転職で給料を上げるための相場年収と交渉術

前職のお給料を引き合いに出して高額給与を志望動機にするのなら、同業種でない人間でさえ「それはあまりに不遇だ」と思われるような職場だったかどうかが客観的に判断できるポイントになります。

もしも他人から同情される程でもないのであれば、面接時にお給料を志望動機にする事は避けた方が無難です。

一人よがりな志望動機は損にしかならない

たとえば、上記とは別で「同僚が失敗してばかりいてその尻拭いをさせられているのに、上司が高く評価してくれない。いつまでも同僚と同じお給料を支払われているのは不公平だ。だったら最初から高額給与で働かせてくれる職場に転職した方がいい」

このような動機で高額給与を希望していては、雇用側は眉をひそめるかもしれません。

同僚の尻拭いと仕事の出来不出来は天秤には掛けられないからです。

それでも、高額給与である事を志望動機にされるのであれば、「職場環境をよくするために様々な改善を試みて、結果を残したがどれも正当な評価を受けることはなかった」と、具体的な改善案とどのような結果を残したのかを明確に示しながら訴えなければ雇用側に響きません。

【関連記事】 ネガティブな志望動機は面接で不利になりますか?

雇用側が志望動機を聞く意味を理解する

志望動機を聞く理由は労働者と雇用者の間に、決定的な価値観のズレがないかを見分けるために行います。

前職の待遇がどうだったかとか、次の職場で求めている給与額など、そんな事は雇用側にとってはっきり言ってどうでもいいのです。そんなものは転職希望者のただの愚痴にしか聞こえないからです。

雇用側が知りたいのは、支払うお給料に見合うだけの働きを本当にしてくれるのかどうかの根拠を知るために志望動機を聞いています。

志望動機がお給料の事であってもなくても、志望動機がその根拠を知るに足らない内容であれば、雇用側は採用を判断できないのです。

お給料というのはあくまでも、「結果に基づく評価をかたちにしただけのもの」という事を忘れないようにしなければいけません。