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疑義照会の義務を怠り患者に健康被害が発生してしまった!!【法律相談】

医者が併用禁忌である医薬品2種類を一緒に処方してきましたが、調剤した薬剤師も鑑査した薬剤師もその事に気付かずに、疑義照会せずに患者に投薬してしまいました。患者さんはそのまま服用してしまい、1ヶ月入院を必要とする健康被害が及んでしまいました。

この場合に調剤した薬剤師と鑑査した薬剤師は疑義照会の義務を果たさなかった事により責任を問われるのでしょうか?

この場合、疑義照会の義務が発生します。薬剤師の過失が認められる

薬学的に問題があると気がつかなくとも、併用禁忌薬が処方されている以上は疑義照会義務が発生します。
今回のケースでは疑義照会をせずに投薬してしまっているので、不法行為責任(民法第709条)により損害賠償責任が発生します

当然処方箋を出した医師にも過失が認められるので、医師と薬剤師は共同不法行為(民法第719条)となり、連帯して責任をとる必要があります。
さらに、疑義照会を怠ったために患者に健康被害が起こっているので、業務上過失致死傷罪(刑法第211条)に問われる可能性があり、業務停止などの行政責任を問われる可能性もあります。

疑義照会とは?

薬剤師には疑義照会義務というものがあります。
その薬剤師法の条例がこちら。

「第24条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師または獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。」

疑問に思ったり、間違えがあった場合は必ず医師に確認をとる義務があります。

過去の裁判例ではこうなった

過去に同じようなケースにおいて裁判がありました。

疑義照会義務には「処方日数が記載されていない等の形式的な不備だけでなく、その用法・要領が適正か否か、相互作用の確認等の実質的な内容も含まれるか。疑義照会義務は疑義を抱いた際にだけ発生し、疑義を抱かなければ疑義照会義務は発生しないのか」
という点が争点となりました。

薬剤師の疑義照会義務について改めて考えよう

薬剤師は薬学的な専門的な知識を活かして医師の処方に間違いがないか?と
正しい医薬品を判断する必要があります。

お薬の服用は患者の命の危険、健康被害の発生に直接つながるリスクがあります。
そのため、疑義照会義務というものがあります。

つまり、処方を出されたからといって必ずその通りに調剤するというわけでなく、薬剤師には確認の義務がある以上、疑問を抱いた時には医者へ疑義照会をしなければいけません。
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調剤鑑査者にも同じ義務がある

医師が処方したお薬を間違いなく薬剤師が調剤しているかどうか。
これを確認するのが調剤鑑査者ですが、ただ双方に差異がないかだけを確認すればいいわけではありません。
薬剤師と同じように、薬の併用禁忌に「気付く」という仕事をしなければいけないのです。

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