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服薬指導に答えてくれない患者さんが健康被害に!【法律相談】

薬局では患者さんに副作用歴や併用薬の有無などの服薬指導をしたうえで調剤を行っていますが、まれに質問しても「医者に全て話してるから薬剤師に話したくない」という姿勢で質問に答えてくれない患者さんがいます。

服薬指導に答えてくれない患者さんが、実は併用禁忌薬を服用していたために健康被害が起きてしまった場合、薬剤師は責任を問われるのでしょうか?

患者に情報提示の義務はないが薬剤師に服薬指導の義務がある

患者さんが答えてくれないというケースはよくあるようですが、患者が情報提示を拒んだとしても薬剤師が強制的に患者の情報を得る事は出来ません。

しかし、今までの法令にはそのような定めはなく患者にもそのような義務はないとされていましたが、平成26年の薬事法改正によって薬局開設者の義務として、患者の情報を薬剤師に確認させることが明記されました。(薬事法第9条の3 第2項、薬事法施行規則第15条の12第4項)

 

患者には義務がないのは変わりませんが、薬剤師に義務が出来たという法律です。

つまり、服薬指導を義務付けられている薬剤師に対して情報提示に答えてくれない患者に対しては、調剤された薬剤を販売または授与してはならないという義務が薬剤師にあります。

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薬剤師は情報提示の必要性を十分に説明してから判断する。

服薬指導に答えないのは患者の自由ですが、薬剤師には服薬指導の義務があるので、答えてくれない患者には薬剤が交付できなくなる可能性がある旨伝え、説得する必要があります。

それでもなお患者が答えてくれない場合はもうどうしようもありません。
薬剤師側としては情報収集義務を免れると考えるべきでしょう。

 

薬剤師の判断に委ねられますが、患者の完全な拒否ではなく、不十分な情報提示であった場合、そのうえで交付を行ったとして健康被害などが起こったとしても、その不利益は患者が負うべきであって、原則は薬剤師に責任はないと考えられます。

ただ、十分に情報提示がされない場合は薬事法の定めの通り、交付する事ができない旨を患者に前もって説明する義務はあります。

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大事なのは患者さんに最善を尽くす姿勢

上記で説明した通り、薬剤を交付するにあたり、投薬する医薬品についての併用禁忌薬や禁忌症などの注意事項について、十分に説明するなどの服薬指導が必要ですよね。

そのような措置をとらずに、患者が答えてくれないなら仕方がないという事で十分な対応をしていなければ、義務を尽くしていないということになり、患者に万が一健康被害が起こってしまった場合、薬剤師が責任を問われる可能性は高くなります。

 

薬剤師としては「言った」「言わない」の後の紛争などを回避するために、情報提示を拒まれた事や十分な情報提供と服薬指導をした事などを具体的に薬歴に記録しておく事が重要です。

基本的に、薬剤師には患者の適正情報を確認する義務がある事を患者に納得してもらったうえで、薬剤交付をしなければなりません。

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