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お薬の未払いは患者さんにどう請求すれば良い?【法律相談】

薬局にいつもいらっしゃる患者さんの1人に、お薬の未払い常習者がいます。
薬価の高いお薬なので大変なこともわかりますが、この患者さんは未払いに責任を感じていないのか、支払って下さいとお願いしてもその度にニヤニヤして言い訳をしてごまかしてばかりいます。

 

気付けば溜まった未払い額は数十万円になっておりました。
さすがに・・と思ったので、督促の電話をしたり手紙を出したりしたのですが反応がなく、患者さんも気まずくなったのか薬局に来なくなってしまいました。

 

患者さんにはきっちり支払ってもらいたいので、法的手続きも含めどのように未払いを回収できるのか教えて下さい。

3年で調剤報酬の消滅時効が成立するため注意が必要

調剤報酬の消滅時効は通常の債権よりも短い3年です。(民法第170条 第1号)
請求が可能な時から3年を超える前に裁判上の請求などをしないと時効がきてしまい、時効の援用(時効させて下さいと貸主に申し出る事)をされると、その後は請求できなくなってしまいますので注意が必要です。

まずは内容証明を送って請求

内容証明郵便による請求には法的強制力はありませんが、任意に支払って頂く手段としては効果的な方法と言えます。

患者さんに対し、「お薬代の未払い滞納に困っている。という事実を第三者が証明してくれてますよ。」という意味の郵便を送ります。

所謂、軽いゆさぶりをかけます。
これは患者さんに任意に支払ってもらう事を前提とした催促通知です。

 

また、内容証明を送って6ヶ月以内に裁判上の請求(訴訟など)を行えば、時効を中断できる効果があり、時効の完成を6ヶ月遅らせる事が出来ます。(民法第153条)

なお、この6ヶ月の延長は1回限りですので、内容証明を送る際は訴訟などの法的手続きについても念頭においておくべきでしょう。

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少額訴訟や督促手続きが適当

少額訴訟とは・・・60万円以下の金銭の支払いを求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争解決を図る手続きです。

催促手続きとは・・・申立人の申し立て内容だけを審査して、相手方に金銭の支払いを命ずるもので、非常に簡単な手続きです。
ただし、債務者(患者さん)が意義申し立てをすると通常訴訟に移行することになります。

 

これらの手続きによって、患者さんからお薬代を請求する権利がある事を裁判所が正式に確定してくれる事になります。

そして判決などに必要な債務名義を取得することができます。
しかし、ここで権利が確定されても、実際に強制的に回収するためには更に裁判所での強制執行の手続きが必要になります。

強制執行は最終手段と考えるのが賢明

強制執行をするには、時間も費用も労力もとてもかかってしまいます。

そして、もし患者さんに支払能力がなければ、結局回収に至れない可能性もあるのです。そのようなリスクを避けるためにも出来る限り患者さんが任意に支払ってくれる手筈を踏むのが賢明です。

 

患者さんに任意に支払ってもらうという事は患者さんには「えらくおおごとになったな・・支払わないとな・・」と思わせる必要があるので、裁判所から患者が呼び出しされ協議をする必要のある少額訴訟の方が心理的に効果があると考えられます。

 

少額訴訟は債務名義を取る事が出来、時効を中断させる効果もあるので、たとえすぐに回収できなかったとしてもそこから10年は時効が延長されるので、強制執行の手続きで余計な労力をかけるよりは平和的解決に近いと言えるでしょう。
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未払いトラブルを未然に防ぐためには?

未払いは、詐欺や不法行為と同じです。

未払いのある患者さんにはお薬の交付は遠慮してもらう。というのがトラブルを未然に防ぐ唯一の方法でしょう。

とはいえ、心情的にも病気で苦しむ人を無碍につっぱねるわけにいかないのが人というものでもありますね。

 

しかし、医療はボランティアではありません。

お薬の未払いを許容しているという事は、特定の患者さんだけ特別扱いしているのと同じです。

 

スナックなどではお店とお客さんの間の信頼関係による「ツケ」として未払いは通用するものかもしれません。
ですが、医療従事者は日本国民全体の健康保険料などの国民負担によって大部分のお給料が支払われているので、自身の薬局へ来る患者さんだけでなく社会全体の「不公平感」に繋がります。

 

お薬の未払いを許すという事は、自身がその分を変わりに支払うというくらいの気持ちでいなければ許容してはいけません。

患者さんの支払い責任を問う前に、ご自身の立場に責任を持ち、患者さんひとりひとりへの対応を見直す必要があります。

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