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薬局製剤や調剤薬はPL法と関係ない?【法律相談】

私の薬局では薬局製剤を取り扱っていますが、先日患者さんに販売した「感冒12号」に1包に小さいゴミが入っていたという事で交換に来られました。

封は確かに開いていなかったので、調剤時になんらかの拍子でゴミが入ってしまったのだと思います。
今回はさほど問題にはならなかったのですが、このようなミスがあった場合薬局は患者さんに対して責任は負うのでしょうが薬局製剤は薬局で作る医薬品ともいえるのでPL法(製造物責任法)の扱いはどうなるのでしょうか?
また調剤における散在の混合についてどうなのでしょう?

PL法(製造物責任法)の条例とは?

「製造物責任 第3条 製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第3項第2号若しくは第3号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。

ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りではない。」

 

PL法はこのように定められています。

「製造物」とは「製造又は加工された動産」(製造物責任法第2条第1項)と定義されているので、この条例が適用があるかどうかを判断するうえで決め手となるのが、薬局製剤や院内製剤が製造物責任法の「製造物」に当たるのかどうかということになります。

薬局製剤は「製造物」にあたるのか?

薬局製剤は薬局において「加工」されたと考えられるので「製造物」に当たります

したがって今回のように薬局製剤にゴミが入っていたような場合は、加工物に欠陥がある事になるので、もしもそれが原因で患者に健康被害などの損害が起きた場合は薬局はPL法(製造物責任法)に基ずく責任(損害賠償責任)を負うことになります。

院内製剤は「製造物」にあたるのか?

製剤する場所が異なる場合でも「加工」されたものと考えることが妥当であり、これも「製造物」に当たるので院内製剤にもPL法の適用があると考えられます。

処方箋から調剤した薬剤は「製造物」にあたるのか?

では、医師から処方された処方箋に基づいて混合した散剤や調製した液剤、粉砕した錠剤などの調剤した薬剤に欠陥があった場合についてです。

一般的に薬剤師の調剤行為は役務であるので調剤薬はたとえ「加工」などがされたとしても、あくまでサービスの一種ととらえ、「製造物」には当たらず、PL法上の責任の対象にならないと解されています。

この考え方によれば調剤薬が原因で患者に健康被害が起きたとしても、薬剤師や薬局が責任を負うことはありません。

 

しかし、これはあくまでもPL法上で「製造物」の欠陥に対して責任を負う事はないという意味です。

基本的にはPL法の適用の有無に関わらず、調剤や製剤の際に本人に過失があれば通常責任を負う可能性は当然ありますので、過失がないように最善を尽くしておくことが必要です。

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